会長挨拶

  • 第46回日本肥満学会(JASSO)
  • 会長 和田 淳
  • 岡山大学学術研究院医歯薬学域 腎・免疫・内分泌代謝内科学
第46回日本肥満学会 会長 和田    淳

この度、第46回日本肥満学会を2025年10月4日(土)・5日(日)の両日、岡山コンベンションセンターにて開催させていただくことになりました。今回も第43回日本肥満症治療学会学術集会(小山英則会長 ― 兵庫医科大学 糖尿病・内分泌・代謝内科 教授)との合同開催といたしました。会場は岡山駅直結であり、桃太郎空港からリムジンバスで約30分の場所に位置しています。

日本肥満学会と日本肥満症治療学会の合同開催は、2019年から数えて7回目となり、共通テーマを「脂肪細胞のバイオロジーと統合的肥満症治療時代の幕開け」といたしました。肥満症の病態の成立に深く関与する脂肪細胞のバイオロジーについて重点を置きながら、中枢神経、消化管、心臓、腎臓、肝臓など全身臓器の病態やその連関について議論する場としたいと思います。また近年著しい進歩を遂げている薬物療法や減量代謝改善手術はもちろんのこと、食事療法、運動療法、行動療法も取り入れた統合的肥満症治療については、日本肥満症治療学会と緊密な連携を取りながら、新しい観点から討議する学会にしたいと思います。

世界的に肥満が増加しており、オベシティパンデミック(Obesity pandemic)という言葉が論文タイトルに使用されたのは、1997年BMJのEducation and debateに掲載された「An "ecological" approach to the obesity pandemic.」が最初です。しかし肥満症の増加は本来シンデミック(syndemic)と考えられます。シンデミックはシナジー(synergy)とエピデミック(epidemic)を合わせた言葉で、ある病気が社会・文化的要因や政治・経済的要因との相互作用により助長することです。肥満症に成立には、社会構造的な差別やスティグマが明らかに強く関与してます。市民公開講座では、肥満症のある方々や一般市民の皆様の参加も促し、そのことについて考えてみたいと思います。またスティグマを解消するアドボカシー運動は、多診療科や多職種からなる医療者がDE&Iの概念により一丸となることが重要であると考えており、今回の学会においても引き続き重視したいと思います。

岡山はコンパクトシティーですので、市内をめぐるときはウォーキングやコミュニティサイクル「ももちゃり」がお勧めです。岡山駅から岡山城・岡山後楽園のコースは、岡山県立美術館、岡山市立オリエント美術館、岡山博物館、岡山シンフォニーホールも訪れることができ、岡山の歴史と文化を巡ることができます。全国から多くの皆様のご参加をお待ちいたします。


  • 第43回日本肥満症治療学会(JSTO)
  • 会長 小山 英則
  • 兵庫医科大学医学部 糖尿病内分泌・免疫内科学
第43回日本肥満症治療学会 会長 小山  英則

この度、第43回日本肥満症治療学会を2025年10月4日(土)・5日(日)の両日、第46回日本肥満学会学術集会(和田淳会長 ― 岡山大学学術研究院医歯薬学域 腎・免疫・内分泌代謝内科学教授)と合同開催させていただきます。会場は岡山コンベンションセンターで、岡山駅直結で利便性が非常に高い場所となります。

日本肥満学会と日本肥満症治療学会の合同開催は、2019年から数えて7回目となりますが、今回は両会長が内科であることもふまえて、共通のテーマをあげさせていただきました。「脂肪細胞のバイオロジーと統合的肥満症治療時代の幕開け」をテーマとして、肥満症の病態の基礎的側面から、肥満症治療の臨床までを横断的・統合的に、また新しい観点から討議する学会を目指したいと思います。近年目覚ましい進展がみられる薬物療法や減量代謝改善手術はもちろんのこと、食事療法、運動療法、行動療法も取り入れた統合的肥満症治療について、日本肥満学会と緊密な連携を取りながら、会員の皆様に楽しんでいただけるプログラムを準備したいと思います。

この1年間で、肥満症治療の臨床が大きく変化したことを実感されている会員の皆様も多いのではないでしょうか。GLP1受容体アゴニストが肥満症治療薬として登場したこと、肥満・代謝改善手術の適応拡大とスリーブ・プラス術式が保険承認されたこと、などのパラダイムシフトをいかに肥満症患者に適正に安全にとどけるか、学会の果たすべき役割は大変大きいものです。その効果を最大限に引き出すためには、これら複数の治療法をどのように使い分け、また併用するべきか、多くの答えのない問題点を解決していく必要があります。また治療法の著しい進歩は長期にわたるの内科的・外科的管理のみならず、栄養、運動、精神心理的側面などの新たな問題点・疑問点を生み出すことになります。これらの光と影の側面を医師、栄養士、看護師、理学療法士、臨床心理士、薬剤師、ソーシャルワーカーなどのメディカルスタッフが一丸となって討論し、アカデミックな視点から統合的肥満症治療の最適化を目指す場を提供したいと思います。さらに新規肥満症治療薬などの開発状況や将来展望などもお届けできたらと思っています。

肥満症診療にかかわる先生方に研究・症例や疑問点などを岡山の地に持ち寄っていただき、活発な議論の場となりますよう、1人でも多くの皆様の演題登録と学会参加を心からお待ちしています。